「フォルクスワーゲンは本当に外車地獄なのか?」
「トゥーランの維持費は高額なのか?」
「生産終了の噂は本当なのか?」
トゥーランは、コンパクトなボディサイズながら優れた実用性を備えた7人乗りミニバンです。年間維持費は20万円程度と国産車より高めですが、適切なメンテナンスで長期使用が可能です。
今回は、トゥーランの基本性能や維持費、購入時の注意点について、実際のオーナーの声を交えながら詳しく解説していきます。
輸入車購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
「フォルクスワーゲン」トゥーランの基本情報
フォルクスワーゲン トゥーランの特徴として、コンパクトながら使い勝手の良い車両サイズ、多彩なシートアレンジが可能な7人乗りの室内構成、高性能な2種類のエンジンラインナップ、そして充実した装備と価格設定が挙げられます。
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
車両サイズ
フォルクスワーゲン トゥーランは、日本の駐車場でも扱いやすいサイズ設計になっています。
全長4,535mm、全幅1,830mm、全高1,670mmというサイズは、一般的な国産ミニバンと比べてコンパクトです。
このサイズ感は、都市部での運転に適しており、特に全高を抑えることで立体駐車場への出入りもスムーズです。
ただし、全幅が1,830mmあるため、狭い道での対向車とのすれ違いや、コインパーキングでは少し注意が必要です。
実際のオーナーからは、見た目以上に取り回しがしやすいという声が多く聞かれます。
また、最小回転半径が5.9mと小回りが利くため、バック駐車や狭い道での切り返しも比較的容易です。
乗車定員と室内構成
トゥーランの室内構成は、7人乗りを基本としながら、多彩なシートアレンジが可能です。
2列目は3分割で独立してスライドができ、3列目は左右別々に床下に収納できるため、荷物の量や乗員数に応じて柔軟な対応が可能です。
特筆すべきは、2列目シートの使い勝手の良さです。
独立してリクライニングができるため、長距離移動でも快適に過ごせます。3列目シートは、子どもなら十分な広さがありますが、大人の長時間の乗車には少し窮屈に感じることがあります。
荷室容量は、5人乗車時で743L、2列目を倒せば最大1,857Lまで拡大できるため、大きな荷物も余裕を持って積載できます。
エンジンラインナップ
トゥーランのエンジンは、1.5L TSIと2.0L TDIの2種類が用意されています。
1.5L TSIエンジンは、最高出力150PS、最大トルク250Nmを発揮し、市街地から高速道路まで余裕のある走りを実現します。
特に、低回転域からトルクが立ち上がるため、発進時のレスポンスが良好です。
一方、2.0L TDIディーゼルエンジンは、同じく150PSながら、最大トルクが340Nmと太く、長距離ドライブや高速巡航が得意です。
どちらのエンジンも7速DSGとの組み合わせで、スムーズな加速と燃費の両立を実現しています。
価格帯
トゥーランの新車価格は、グレードによって399.8万円から533.1万円の範囲で設定されています。
エントリーグレードのTSI Trendlineでも、高い安全性能と快適装備が標準装備されており、価格に見合う価値があります。
中間グレードのTSI Comfortlineは、装備と価格のバランスが良く、人気が高いモデルです。
最上級グレードのTSI Highlineは、本革シートやパノラマサンルーフなど、上質な装備が充実しています。
ただし、オプション装着により価格は更に上昇するため、必要な装備を見極めることが重要です。
維持費については、定期点検や部品交換などで年間15-20万円程度を見込む必要があります。
トゥーランを購入して後悔した理由
トゥーランを購入して後悔した理由は、以下の通りです。
- ガソリン代が年間約10.5万円と燃費面での出費が大きい
- 年間維持費が高く、車検費用は約8.3万円
- 外車特有の部品代が高額
- ATフルード交換やATコントロールバルブ交換など、予期せぬ修理費用が発生
- 新車価格から大幅な価値下落
- 生産終了に伴うパーツ供給への不安
- 修理時の部品待ちが長期化するリスク
- 大人が乗るには窮屈な3列目シート
それぞれの理由について解説していきます。
ガソリン代が年間約10.5万円と燃費面での出費が大きい
トゥーランの燃料費は、予想以上に家計を圧迫する可能性があります。
年間約10.5万円という燃料費は、同クラスの国産車と比べると2~3万円ほど高くなっています。
これは、カタログ燃費と実燃費の差が大きいことが主な要因です。
特に街乗りでは、カタログ値の14.5km/Lに対して実燃費が10km/L程度まで低下することもあります。
また、指定の高オクタン価ガソリンを使用する必要があるため、リッターあたりの単価も割高になります。
ただし、高速道路での巡航時は比較的良好な燃費を記録できるため、使用状況によって大きく変わることを理解しておく必要があります。
年間維持費が高く、車検費用は約8.3万円
トゥーランの維持費は、想定以上にかかることを覚悟しなければなりません。
車検費用約8.3万円に加え、定期点検や消耗品の交換など、年間の維持費は20万円を超えることもあります。
これは、部品代が国産車の1.5~2倍程度高額なことが大きな要因です。
また、6ヶ月ごとの定期点検も必須で、その都度2~3万円程度の出費が必要になります。
さらに、DSGオイルの交換など、国産車にはない独自の整備項目もあり、予想外の出費につながることがあります。計画的な資金準備が必要不可欠です。
外車特有の部品代が高額
輸入車特有の高額な部品代は、維持費増大の大きな要因となっています。
例えば、ブレーキパッドの交換で約5万円、エアコンフィルターで約1万円など、国産車の1.5~2倍の費用がかかります。
これは、部品の多くを海外から取り寄せる必要があり、輸送費や関税が上乗せされるためです。
また、純正部品の使用が推奨されるため、社外品での対応が難しく、コスト削減の余地が少ないのも特徴です。
修理や部品交換の際は、予備費として通常の1.5倍程度の費用を見込んでおく必要があります。
ATフルード交換やATコントロールバルブ交換など、予期せぬ修理費用が発生
DSGミッションに関連する修理費用は、特に注意が必要です。
ATフルード交換は4~5万円、コントロールバルブの交換となると20万円以上かかることもあります。
これらの修理は、走行距離5万キロを超えたあたりから発生する可能性が高くなります。
特にDSGは複雑な機構を持つため、一度トラブルが発生すると高額な修理費用が必要になります。
また、電装系の不具合も多く報告されており、センサー類の交換だけでも数万円の出費となることがあります。
新車価格から大幅な価値下落
トゥーランの中古車価格の下落率は、新車価格の50%以上に及ぶことがあります。
新車価格400~500万円の車両が、3年で200万円台まで下がることも珍しくありません。
これは、輸入車特有の維持費の高さや、部品供給への不安が影響しています。
特に、5年を超えると価格下落が加速し、10年落ちの車両では100万円を切る場合もあります。
このため、新車購入時には将来の売却を見据えた計画が重要です。
生産終了に伴うパーツ供給への不安
生産終了に伴うパーツ供給の不安は、長期保有を考える上で大きな懸念材料となっています。
特に、電装系部品やDSG関連部品は、入手までに時間がかかることがあります。
また、一部のパーツは既に製造が終了しており、中古部品に頼らざるを得ないケースも出てきています。
これは、車両の修理時期が長期化する原因となり、代車費用などの追加支出につながる可能性があります。
修理時の部品待ちが長期化するリスク
修理時の部品待ちは、予想以上に長期化することがあります。
特に、エンジン関連やDSGミッション関連の部品は、注文から入荷まで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
これは、部品の多くをドイツから取り寄せる必要があるためです。また、在庫切れの場合は、さらに待機期間が延びる可能性があります。
この間、代車費用が発生したり、通勤や日常生活に支障が出たりするリスクを考慮する必要があります。
大人が乗るには窮屈な3列目シート
3列目シートの居住性は、大人の乗車には適していません。膝周りの空間が狭く、長時間の乗車では疲労が蓄積しやすい状態です。
また、3列目へのアクセスも、2列目シートを倒して乗り込む必要があり、スムーズとは言えません。これは、全長を抑えたボディサイズの制約によるものです。
子どもの乗車には問題ありませんが、大人7人での移動を想定している場合は、実際の使用シーンを慎重に検討する必要があります。
後悔しないためのポイント
トゥーランを購入する際に後悔しないためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 実用性をしっかり確認する
- 維持費を把握しておく
- 事前の試乗を欠かさない
トゥーランは多機能で魅力的な車ですが、購入後に「思っていたのと違った」と感じることがないよう、事前の確認が重要です。
実用性の確認
トゥーランを購入する前に、実用性の確認は必須です。
特に重要なのが、シート構成と荷室の使い勝手です。
2列目は3分割で独立してスライドができ、3列目は左右別々に床下に収納できるため、荷物の量や乗員数に応じて柔軟な対応が可能です。
ただし、3列目シートは子どもなら十分な広さがありますが、大人の長時間の乗車には少し窮屈に感じることがあります。
また、チャイルドシートの装着性や日常的な荷物の積載量も確認が重要です。
荷室容量は、5人乗車時で743L、2列目を倒せば最大1,857Lまで拡大できるため、大きな荷物も余裕を持って積載できます。
維持費の把握
トゥーランの維持費は、国産車と比べて年間10~15%程度高くなる可能性があります。
年間の維持費総額は206,500~400,000円程度で、自動車税が30,500~36,000円、燃料代が約101,000~139,000円、車検を含めたメンテナンス費用が約79,100〜129,100円となります。
特に整備費は国産同クラスの1.5倍程度かかることを想定しておく必要があります。
ただし、適切なメンテナンスを行えば10年以上の走行が可能で、予防的な部品交換や定期点検を徹底することで、予期せぬ出費を抑えることができます。
事前の試乗は必須
トゥーランは、国産ミニバンとは異なる走行特性を持っています。
高速走行での安定性が高く、1500rpmから250N・mの最大トルクを発生する力強い走りが特徴です。
試乗では、市街地から高速道路まで様々な走行シーンを体験し、エンジンの力強さや静粛性、乗り心地を確認することが重要です。
特に、DSGミッションの変速フィーリングや、コーナリング時の安定性など、国産車とは異なる特性を持つため、家族全員での試乗がおすすめです。
実際の使用シーンを想定した確認が、後悔のない選択につながります。
中古のトゥーランを購入するポイント
中古車の購入は楽しみな反面、不安や注意点も多いものです。だからこそ、購入前にしっかりとポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、中古のトゥーランを購入する際に確認すべき重要なポイントについて詳しく解説します。
エンジン内部のチェック
中古トゥーランを購入する際、エンジン内部の状態確認は最も重要なポイントです。
特にオイルフィラーキャップの内側やヘッドカバー内部のスラッジ(オイル汚れ)の付着状況を入念にチェックする必要があります。
スラッジが溜まっている場合、エンジン内部の深刻な劣化が進んでいる可能性が高く、将来的に数十万円規模の修理が必要になることがあります。
また、エンジンオイルの色や粘度、にごりの具合も重要な判断材料です。
さらに、アイドリング時の振動や異音、加速時の吹け上がりなども確認し、試運転では必ずエンジンが温まってからの状態もチェックしましょう。
重要オプションの確認
トゥーランの中古車選びでは、装備の確認が購入判断の重要な要素となります。
特に、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの安全装備は、長距離ドライブや高速道路での運転を快適にする重要な機能です。
また、LEDヘッドライトやデュアルオートエアコンなどの快適装備も、日常使用での満足度に大きく影響します。
これらのオプションの有無で、同年式・同走行距離でも価格が20-30万円程度変わることがあるため、必要な装備を見極めることが重要です。
保証内容の確認
中古トゥーランの購入時には、保証内容を詳細に確認することが重要です。
特にDSGミッションやターボ、電装系統などの重要部品が保証対象に含まれているかどうかを確認する必要があります。
一般的な保証期間は1年または走行距離1万kmですが、延長保証制度がある場合は検討する価値があります。
また、保証範囲や免責事項、部品の補償割合なども細かく確認しましょう。
保証内容によっては年間数万円の追加費用が必要になりますが、高額な修理リスクを考えると、充実した保証付きの車両を選ぶことをおすすめします。
整備工場の確認
トゥーランのメンテナンスには、フォルクスワーゲンの専門知識を持った整備工場の存在が不可欠です。
購入前に、最寄りのフォルクスワーゲン正規ディーラーや専門整備工場の場所、営業時間、代車サービスの有無などを確認しておく必要があります。
特に、緊急時の対応や定期点検のしやすさを考慮すると、自宅や職場から30分以内の場所に整備工場があることが理想的です。
また、整備工場によって技術力や対応力に差があるため、実際に訪問して設備や雰囲気を確認することをおすすめします。
トゥーランに関するよくある質問
フォルクスワーゲンは本当に「外車地獄」なのですか?
フォルクスワーゲンは必ずしも「外車地獄」とはなりません。
適切なメンテナンスを行えば、長期間安定して使用できる信頼性の高い車です。
確かに、部品代や修理費用は国産車と比べて高額になる可能性がありますが、部品の耐久性が優れているため、頻繁な故障に悩まされることは少ないのです。
故障率は高いのでしょうか?
フォルクスワーゲンの故障率は、一般的な輸入車と比較して特別に高いわけではありません。
ただし、電装系のトラブルや特定の部品に関しては注意が必要です。
具体的には、エアコンのコンプレッサーやオルタネーター、ラジエーターの水漏れなどが報告されています。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、これらの問題は予防できます。
生産終了の噂は本当ですか?
フォルクスワーゲンは2035年までエンジン車の生産を継続する予定です。
特に現行のゴルフは、2035年まで生産が継続される可能性が高いとされています。
ただし、EVシフトの影響で、一部モデルの生産終了や見直しは進められています。
例えば、小型車のUp!は2023年末に生産終了となりました。
トゥーランは不人気車種なのですか?
トゥーランは、実際のところ高い評価を得ている車種です。
特に走行性能と室内空間の広さが高く評価されています。
高速走行時の安定性が優れており、長距離ドライブでも疲れにくいという特徴があります。
また、3列シートの使い勝手が良く、家族での使用に適しているとの評価も多くあります。
ただし、スライドドアがない点や、2列目シートの可倒性に制限があることは、一般ユーザーにとって気になるポイントとされています。
まとめ
フォルクスワーゲン・トゥーランは、コンパクトなボディサイズながら優れた実用性を備えた7人乗りミニバンです。
全長4,535mm、全幅1,830mm、全高1,670mmというサイズは、日本の道路事情に適しており、取り回しの良さが特徴です。
室内は2列目が3分割でスライド可能、3列目は床下収納式という柔軟な構造を採用し、荷室容量は5人乗車時で743L、最大1,857Lまで拡大できる実用的な設計となっています。
エンジンは1.5L TSIと2.0L TDIの2種類が用意され、7速DSGとの組み合わせで、力強い走りと燃費の両立を実現しています。特に高速走行での安定性が高く評価されています。
ただし、維持費は国産車と比べて10〜15%程度高く、年間の総額は20〜40万円程度を見込む必要があります。部品代が国産車の1.5〜2倍となることや、6ヶ月ごとの定期点検が必須なことが主な要因です。
購入を検討する際は、実用性の確認、維持費の把握、試乗による走行フィーリングの確認が重要です。特に中古車選びでは、エンジン内部の状態チェックや保証内容の確認が不可欠となります。