「ベンツGLBの故障率は?」
「ベンツGLBの弱点は?」
GLBは2020年6月に日本で発売された7人乗りのコンパクトSUVで、コンパクトなボディサイズでありながら3列シートを備えた実用性の高さが特徴です。
一方で、トランスミッションの不具合やバッテリーシステムの問題、内装品質の課題など、いくつかの弱点も指摘されています。
今回は、GLBの基本性能や特徴、購入時の注意点、よくある質問などについて詳しく解説していきます。
GLBの購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
ベンツのGLBとは

メルセデス・ベンツGLBは、2020年6月に日本で発売された7人乗りのコンパクトSUVです。
このクルマの最大の特徴は、コンパクトなボディサイズでありながら3列シートを備え、7人まで乗車できる実用性の高さにあります。
全長4,650mm×全幅1,835mm×全高1,700mmというサイズは、都市部での取り回しやすさと室内の広さを両立させています。
GLBが選ばれる理由として、以下の3つが挙げられます。
まず、Gクラスを思わせる力強いデザインで存在感があります。
次に、2列目シートが140mmスライドするなど、使い勝手の良い室内設計となっています。
さらに、最新の運転支援システムを搭載し、安全性も高いことが特徴です。
なお、駆動方式はFF(前輪駆動)と4MATIC(四輪駆動)が選べ、エンジンはガソリンとディーゼルの2タイプをラインナップしています。
ベンツGLBの弱点
メルセデス・ベンツGLBを購入・検討する際に知っておきたい「7つの弱点」をご紹介します。
変速時のショックや滑りなどの問題が報告されている
変速時のショックや滑りの問題は、メルセデス・ベンツGLBオーナーが直面する重要な課題の一つです。
この症状が発生する主な理由は、トランスミッションフルードの経年劣化にあります。
フルードが劣化すると、潤滑性能や粘度特性が低下し、トランスミッション内部の動作に支障をきたすようになります。
具体的には、以下のような状況で問題が顕在化します。
アクセルを踏んだ時に変速がスムーズでなくなったり、加速時にギアが滑る感覚を覚えたりします。
また、内部のクラッチが適切に機能せず、上り坂で十分な加速が得られないこともあります。
この問題を防ぐためには、定期的なトランスミッションフルードの点検と交換が不可欠です。
放置すると伝達効率が落ち、燃費悪化や内部ギアの磨耗につながる可能性があります。
バッテリーや電子制御モジュールに関する不具合が多い
メルセデス・ベンツGLBでは、バッテリーシステムに関する不具合が大きな課題となっています。
この問題が発生する主な理由は、バッテリーの劣化や電子制御システムの複雑さにあります。
特に寒冷時には、バッテリーの性能が低下しやすく、頻繁に警告メッセージが表示されることがあります。
具体的な症状として、エンジンのかかりにくさや、窓の開閉が遅くなる、ヘッドライトが暗くなるなどが挙げられます。
また、停止中に通電する装置がある場合、バッテリーの消耗が早まり、電圧低下の警告が頻発することもあります。
これらの問題を防ぐためには、2〜4年ごとの定期的なバッテリー交換が推奨されます。
また、長期間使用しない場合は、スタンバイモードの設定や、バッテリー充電器の使用を検討することをお勧めします。
路面の凹凸で揺れが大きく、特に穴のある道路では強い衝撃を感じる
メルセデス・ベンツGLBの乗り心地における最大の課題は、路面の凹凸による揺れと衝撃の伝わりやすさです。
この問題が起こる主な理由は、GLBのサスペンション設定が欧州車らしく固めに調整されているためです。
特にAMGラインモデルでは、スポーティな走行性能を重視した設定により、乗り心地がさらに硬くなっています。
具体的には、50〜60km/h前後での凹凸の多い道路走行時に顕著に現れます。
前席ではそれほど感じませんが、後部座席では上下動が多くなり、乗員が不快に感じることがあります。
また、低速走行時にはコツコツとした振動が車内に伝わりやすく、特に荒れた路面では衝撃がはっきりと感じられます。
この特性は、国産車の柔らかいサスペンションに慣れた方には特に違和感として感じられます。
快適な乗り心地を求める方は、タイヤの空気圧を少し低めに設定することで、ある程度改善することができます。
一部のプラスチック部品の質感が価格帯に見合わない
メルセデス・ベンツGLBの内装品質、特にプラスチック部品の質感は、高級車としての期待値を下回る傾向にあります。
この問題が生じる主な理由は、Aクラスをベースとしたプラットフォームを採用しているためです。
インテリアのマテリアルは合皮と樹脂で埋め尽くされており、派手なアンビエントライトや液晶メーターで高級感を演出しようとしています。
具体的には、ダッシュボード上面にステッチ付きソフトパッドが採用されていない点や、ドア周りのパネルの作りこみが上位モデルと比べて簡素である点が目立ちます。
また、収納スペース周りの素材感は特に安っぽく感じられ、パネルの接合部分にも隙間やがたつきが見られます。
このような内装品質の課題は、価格帯から期待される高級感との間にギャップを生む要因となっています。
アッパークラスのメルセデス・ベンツを期待して購入する方にとっては、特に気になるポイントとなるでしょう。
3列目シートは非常に狭く、大人には不向きで3列目を使用時の荷物スペースが著しく制限される
メルセデス・ベンツGLBの3列目シートは、実用性に大きな制限があることが最大の弱点となっています。
この問題の主な理由は、メーカーが身長168cm以下の乗員用として設計していることにあります。
ヘッドクリアランスがギリギリで、実際には身長160cm以下の方向けといえる広さしかありません。
具体的な制約として、3列目シート使用時のラゲッジルーム容量はわずか130Lとなり、セダンやスポーツカーよりもさらに狭いスペースしか確保できません。
また、大人が座るには窮屈で、長距離移動での使用は現実的ではありません。
このような制約があるため、GLBの3列目シートは、短距離での子供の送迎や緊急時の補助席として割り切って考える必要があります。
日常的な使用を考えている方は、3列目を格納して500Lの荷室として活用するのが賢明な選択となるでしょう。
基本モデルのGLB 250の燃費は市街地23mpg、高速31mpgと競合車と比べて劣る
メルセデス・ベンツGLB 250の燃費性能は、同クラスの競合車と比較して課題があります。
主な理由は、WLTCモードでの燃費が市街地モードで約8.8km/L、高速道路モードで約14km/Lと低めの数値にとどまっているためです。
特に市街地での燃費性能は、同クラスのSUVと比べても見劣りする結果となっています。
具体的には、GLB 250 4マチックスポーツの場合、WLTCモード総合で12.0km/Lという数値を記録しています。
さらに、現行モデルではハイブリッドシステムの設定がないため、燃費改善の余地が限られています。実燃費においても、カタログ値を下回る7.65km/Lという報告もあります。
このような燃費性能の課題は、特に都市部での使用や長距離ドライブを考えているユーザーにとって、維持費増加の要因となる可能性があります。
一部のモデルでシリンダーからの漏れやエンジンノッキング音などの不具合が報告
メルセデス・ベンツGLBにおいて、エンジンに関する重大な不具合が報告されています。
この問題が発生する主な理由は、シリンダー内での異常燃焼によるものです。
特に低回転時にアクセルを踏み込んだ際に、「カラカラ」や「キンキン」といった不快な金属音が発生することがあります。
具体的な症状として、以下のような状況で問題が顕在化します。
加速時に突然エンジンがしゃっくりを起こしたような大きな揺れが生じたり、上り坂での走行中に異音が発生したりします。
また、エンジン診断警告灯が点灯する事例も報告されています。
このような症状が出た場合、放置するとピストンや燃焼室の焼損、シリンダーヘッド本体の損傷といった深刻な問題につながる可能性があります。
早期に専門店での点検を受けることが推奨されます。
ベンツGLBを購入する際の注意点
メルセデス・ベンツGLBを購入する際の注意点は以下の通りです。
- 用途に合わせた適切なグレード選択が重要
- 部品代が国産車と比べて高額
- 車高が高いため乗り降りに注意が必要
それでは上記の注意点についてそれぞれ詳しく解説していきます。
用途に合わせた適切なグレード選択が重要
メルセデス・ベンツGLBのグレード選択は、使用目的に応じて慎重に検討する必要があります。
この理由は、グレード間で装備の違いが少なく、主にパワートレインと駆動方式の違いが購入判断のポイントとなるためです。
具体的な選び方として、以下のような使用シーンごとの推奨グレードがあります。
- 街乗りが中心の場合:GLB180が最適です。ガソリンエンジンでメンテナンスが容易で、FFでも十分な性能を発揮します。
- 長距離ドライブが多い場合:GLB200d 4マチックがおすすめです。ディーゼルエンジンと4WDの組み合わせで、高い走行性能を発揮します。
- 都市部での使用が主な場合:全幅1,835mmで機械式駐車場にも対応でき、最小回転半径5.5mで取り回しやすいGLB180が適しています。
グレード選択は将来の使用シーンも考慮に入れて決定することが重要です。
特に、街乗り中心か、四輪駆動が必要か、ディーゼルエンジンの使用感が受け入れられるかなどを検討して選ぶことをお勧めします。
部品代が国産車と比べて高額
メルセデス・ベンツGLBの部品代は、国産車と比較して明らかに高額になります。
この理由は、主に部品の輸入に関連するコストにあります。
現地からパーツを取り寄せる必要があり、その際の輸送費が上乗せされてしまうためです。
具体的な例として、以下のような価格差が見られます。
- ワイパーブレードの純正品が13,200円と、国産車の3倍以上
- バッテリー交換がキャンペーン特価でも7万円程度かかります
- 車検時の消耗品交換も、国産車より大幅に高額になります
このような部品代の高さに対応するためには、常時20万円程度のメンテナンス費用を準備しておくことが推奨されます。
毎月1万円以上を維持費として確保できる方でないと、予期せぬ出費に対応できない可能性があります。
車高が高いため乗り降りに注意が必要
メルセデス・ベンツGLBは、乗り降りの際に特別な注意が必要な車両です。
この理由は、最低地上高が200mmと一般的な乗用車より高く設定されているためです。
この車高の高さは、悪路走破性を高めるメリットがある一方で、日常的な使用において注意点となります。
具体的には、以下のような場面で注意が必要となります。
- パーキング時の乗り降りで、隣の車両へのドアパンチに気をつける必要があります
- 高齢者や小さなお子様の乗り降りには、特に配慮が必要です
- 地下駐車場など天井の低い場所での出入りには注意が必要です
ただし、この車高の高さは必ずしもデメリットだけではありません。
段差の多い道路でも気にせず運転できる利点もあり、街中での運転においても安心感があります。
乗り降りの際の基本的な注意点を押さえておけば、快適なカーライフを楽しむことができます。
ベンツGLBに関するよくある質問
メルセデス・ベンツGLBに関するよくある質問と解決方法について紹介していきます。
購入価格はどのくらい?
メルセデス・ベンツGLBの購入価格は、グレードによって大きく異なります。
価格帯の違いは主に、エンジンタイプと駆動方式の選択によって決まります。
ベースグレードのGLB 180は644万円から、上級グレードのGLB 200d 4MATICは697万円からとなっています。
具体的な価格帯は以下の通りです。
- 新車価格:644万円〜815万円
- 中古車価格:329万円〜838万円
- AMGモデル:925万円〜(新車価格)
なお、特別仕様車として「Edition Black Stars」や「Night Edition」も用意されており、それぞれ659万円、815万円からとなっています。
購入を検討する際は、維持費も含めた総合的な費用計算が重要となります。
安全装備は?
メルセデス・ベンツGLBは、最高水準の安全装備を標準搭載しています。
この車両が高い安全性を誇る理由は、フラッグシップモデルのSクラスと同等の安全システムを採用しているためです。
「インテリジェントドライブ」と呼ばれる安全運転支援システムにより、ドライバーの負担を大きく軽減しながら安全性を確保しています。
具体的な安全装備として以下が搭載されています。
- アクティブディスタンス・アシストによる渋滞時の自動停止・発進機能
- 後方死角からの接近車両を監視する警告システム
- ドライブアウェイアシストによる誤発進防止
- リアクロストラフィックアラートによる後退時の安全確保
さらに、Euro NCAPの衝突安全性試験では最高評価の5つ星を獲得しており、高い車高にもかかわらず側面衝突時の横転を防ぐ優れた安全性を実現しています。
これらの充実した安全装備により、家族での使用にも安心な一台となっています。
駐車場の制限は?
メルセデス・ベンツGLBは、一般的な機械式駐車場での使用に関して注意が必要です。
制限の理由は、車両の寸法が機械式駐車場の制限値にやや近いためです。
GLBの寸法は全長4,640mm(AMGライン装着時4,650mm)、全幅1,835mm、全高1,700mmとなっています。
具体的な注意点として以下が挙げられます。
- 一般的な機械式駐車場の制限値(全長5,050mm以下、全幅1,850mm以下、全高1,550mm以下)と比較すると、全長と全幅は余裕がありますが、全高が1,700mmあるため入庫できない場合があります。
- 平置き駐車場であれば、全幅が1,850mm以下のため問題なく駐車できます。
- 最小回転半径が5.5mと小回りが効くため、狭い駐車場でも取り回しやすい特徴があります。
機械式駐車場への駐車を検討する場合は、必ず事前に駐車場の制限値を確認し、実際に入庫テストを行うことをお勧めします。
まとめ
メルセデス・ベンツGLBは、2020年6月に日本で発売された7人乗りのコンパクトSUVで、コンパクトなボディサイズながら3列シートを備えた実用的な車両です。
しかし、いくつかの重要な課題も抱えています。
トランスミッションの不具合やバッテリーシステムの問題、固めのサスペンション設定による乗り心地の硬さ、内装の質感の低さなどが指摘されています。
特に3列目シートは身長160cm以下の方向けの設計で、大人の使用には適していません。
購入価格は新車で644万円から815万円、中古車で329万円から838万円と幅広い価格帯を設定しています。
一方で、部品代が国産車と比べて高額で、定期的なメンテナンス費用として毎月1万円以上の確保が推奨されます。
安全面では、フラッグシップモデルのSクラスと同等の安全システムを採用し、Euro NCAPの衝突安全性試験で最高評価を獲得しています。
ただし、全高1,700mmという車高の高さから、機械式駐車場での使用には制限があり、事前の確認が必要です。